【自作キーボード】分割型キーボードを再設計してLEDをつけて塗装してみた【löwin】

こんにちはこんばんは、きりぽんです。忙しくて久々のブログ更新となってしまいました。

いや~それにしても暑いですね。執筆している時点では7月初旬なのにエアコンを付けないで照明炊いてPCを使ってると、部屋の室温が37度と人間で言えば微熱があるような状態となり少し危機感を感じてます。

löwinの動画

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久々に動画も撮って編集してみました。機械音声が苦手な方にもまったり見て頂けるよう今回は試しにナレーションを入れずにテロップだけ入れてみました。良かったら暇つぶしに見ていってください。

自作キーボードを設計し直す動機

自作キーボードのケースをレジンで作ると日焼けする例

レジン製品特有の日焼けによる黄ばみが出てしまっている

今回は、前回初めて設計した自作キーボードをアップデートしてみました。

前回のキーボードの記事

参考

【自作キーボード】初心者が分割型のキーボードを設計したらこうなった【löwin44】きりたんぽ研究室

再設計をする理由としては、実際に使っていると気になる点がいくつか出てきて改善点が明確になったので基板やケースファームウェアを変更してみました。

「これはちょっとこれなんとかしたいな~」って感じで気になった部分は以下の部分が気になりました。

親指クラスタの位置

親指クラスタの位置

上が新モデルで下が旧モデル

実際使ってると親指の位置が少し遠すぎて間違えて1Uのスイッチを押してしまうという事が頻発した。流石に離れすぎているかと思い今回は内側に1mm寄せてみることとした。また2Uのサイズもキーキャップ選びで少し苦戦するので、見た目にこだわりすぎずもう少し汎用的なサイズに変更してもいいかもしれない(要検討)

Pro Micro

Pro MicroとRP2040 Pro Microのサイズ比較

左がPro Micro(TYPEC)で右がRP2040 Pro Micro

自作キーボードといえばPro Microだったのでしょうが現状ではRP2040の方が価格も安く性能も高いしメモリ容量も余裕がある。機能を拡張したいけど、メモリ容量が不安だったり毎回FWを焼くのが面倒くさいという事で、前回作の最後らへんにPro Microと同じピン配列でそのまま使えるRP2040 Pro MicroというMCUをアリエクで購入して移行していた。

VIAL

VIAL対応
自作したキーボードがまだ完全に身体の一部となった訳ではないのでちょこちょこキーマップを変えていろいろ試したい。また最初に組んだキーボード(Trident40)がVIAL対応でGUIが直感的で非常に使いやすく気に入った。QMKからの移行は若干苦労したがなんとかコンパイルできた。

LED(アンダーグロー)

MCUから配線をつなぎ実装したLED

前回無理やりMCUから配線をつなぎ実装したLED

光るキーボードはあまり興味は無かったのですがMCU直結でLEDテープを仕込んで光らせたら案外と悪くなかった。というわけで突貫工事で付けたLEDではなく基板上に実装してバックプレートも光が透過するようにクリアのレジンで作ってみたくなった。

ロータリーエンコーダー

分割キーボード上部に配置したロータリーエンコーダー
これは前回作で「FWの書き方が悪いせいか右側だけ動かない」というふうに勝手に思い込んでいました。実際には配線をつなぎ忘れていたという初歩的な失態をしていたので修正したい。

欲を言えばアルミ削り出しのケースにしたいとかポインティングデバイスを搭載したいとか、勝手に妄想して夢が膨らみますがとりあえず完成させたい。と言うわけでPCBやケースを設計し直して前回利用させてもらったJLCPCBに今回もお世話になる事にしました。

きりぽん

厚かましいですが今回はこちらから担当者に「協力して欲しい」と伝えたところ快く快諾していただけたので甘えることとさせて頂きました。

新しくなった基板の組立作業

という訳でPCBとケースを注文させてもらい手元に届いていたのですが、アリエクで購入したパーツが一向に届かないというトラブルも有り組立作業に入るまで遅くなってしまった。

変更した点はLEDを使う際のレベルシフト部分と左右間通信のプルアップ抵抗とLEDの実装といったところになります。今回新たに使うパーツのリストは下記にまとめておきます。

新たに購入した部品

基盤JLCPCB
ケースJLCPCB
キースイッチKailh Deep Sea Silent Box Switch Islet
LEDsk6812mini-e
キーキャップDomikey Hush Deep Sea Cherry Profil
MCURP2040 Pro Micro 16M
NchMOSFETMosfet nch
抵抗1K4.7KΩ

NchMOSFET(BSS138)

NchMOSFET(BSS138)

LEDの電圧について少し疑問に思って調べてみるとDINやDOUTも3Vだと動作が不安定になる可能性があるみたいなので今回は試しに実装してみました。レベルシフトについて参考にさせて頂いたブログ記事を貼っておきます。

参考

初めてのRP2040-zero設計とレベルシフト五月雨

NchMOSFET(BSS138)を実装

基板上部のMCUの横にあるQ1とQ2に予備はんだをしてBSS138の足部分にはんだづけしました。これが思ってた以上に小さくて「大丈夫かなぁ」と少し不安になったがなんとかコテ先で予備はんだを溶かしてピンセットで足をずらすようにするとすんなり実装できた。

チップ抵抗(1K)

レベルシフト用抵抗

1Kのチップ抵抗を取り付けます。サイズは2012(0805)と比較的大きい部類になるのですが薄くてピンセットで掴みづらく多少苦労しましたが実装できた。取り付ける箇所はR1・R2・R3・R4となります。

自作キーボードのレベルシフトするための部品を実装

フラックスを塗りすぎてしまったせいか汚れが酷いがはんだ付け作業が終わったらキレイにするので気にしないでおきます。

チップ抵抗(4.7K)

自作キーボードのプルアップ抵抗

次は左右間通信に使うTRRSのプルアップ抵抗を取り付ける。

QMKの公式ドキュメントを調べるとRP2040を使う場合の左右間通信には、ビットバンという単線で通信するかUSART半二重か全二重を使うのが選択肢としてあるみたいです。今回はUSARTの半二重か全二重を採用することとしました。

参考

Split keyboard supportQMK Firmware Document

実装したプルアップ抵抗

取り付け位置はR5・R6・R7・R8に取り付けます。後ほど気づいたのですが半二重の場合はRP2040に内蔵されいてるプルアップ抵抗を自動で割り当ててくれるみたいで半二重で使う場合は必要はなかったみたいです。

きりぽん

以降は前回の作業とほぼ同じ内容になるので割愛させていただきます。

ケースの塗装

塗装前の自作キーボードのケース
PCBを仕上げたら次にケースの塗装をしてみました。塗装する理由としては白を白く表現したいという理由と日焼け防止が主な目的となります。

前回は8111X rasinという比較的白い素材で作ったのですが廃盤になったっぽいので今回はLEDO 6060 Resinを選択してみた。注文した商品を肉眼で見てみると白というよりクリーム色でレジンっぽさが気になったので塗装もチャレンジしてみようと決断しました。

使ったスプレー塗料は下記のリストにまとめておきます。

塗装に使ったスプレー

下地用塗料GSIクレオス Mr.プライマーサーフェイサー1000
カラー塗料高耐久ラッカースプレー白
トップコート高耐久ラッカースプレー つや消しクリヤ

下地処理

自作キーボードのケースを下地処理する
塗装前に簡単にヤスリがけをして下地を整えてみました。240番からはじめて600番までできるだけ均一にヤスリがけ。ある程度ヤスリがけをしたら洗浄後に脱脂をして下準備完了です。

数カ所傷があるのでレジンで埋めて再度ヤスリがけをしても良かったのですが、そこまで気にならなかったので今回はそのまま塗装に移ります。

プライマーサフェイサー塗布

プライマーサーフェイサーを自作キーボードのケースに塗布
今回の塗装はラッカー系のスプレーを使おうと思いGSIクレオス Mr.プライマーサーフェイサー1000という下地用のスプレーを使ってみました。

選定理由は食いつきにくいレジン素材にも使用可能と製品ページに記載してあったからという理由です。合計2回スプレー塗装をして1日乾かしておきました。

高耐久ラッカースプレー(白)塗布

白い塗装をスプレー
続いては白い塗装をスプレーしていきます。こちらも合計2回スプレー塗装をして1日乾かしておきました。

選んだ製品はアサヒペンの高耐久ラッカースプレーというスプレーで高耐久を謳っていてレビュー欄にバイクや車に使っている方が多く耐久性に期待を込めて選んでみました。

高耐久ラッカースプレー(つや消しクリヤ)塗布

つや消しクリアを塗布
最後につや消しクリアを吹いてみました。こちらも合計2回スプレー塗装をして3日乾かしておきました。

バックプレート

自作キーボードlöwinのバックプレートをダブルショット風味に
塗装も一段落し基板を組み込む前にバックプレートをダブルショット風味に上げます。クリアレジンの凹みの部分に6060レジンのパーツをニッパーの柔らかい柄の部分を使ってはめ込みました。

念の為接着剤も用意したのですが結構キツキツで一度ハマったら取れなそう。

完成

自作キーボードlöwinの完成
組み立て作業の細かい手順は動画で解説したので省きますが、キースイッチとキーキャップなどを取り付けて完成です。

自作キーボードlöwinのバックパネル

LEDのファームウェアはRGBMatrixだとLEDの位置を具体的に座標で指定する必要があり煩雑さが煩わしかったのでRGBLightingにしてみました。エフェクトなどかなり少ないのですが必要最低限のコントロールはできるのである程度満足してます。

きりぽん

LEDについては自作PCでもそうですが最初に光らせたら満足して2度と使わなくなるパターンがほとんどなので深追いしないでおきます。

今回制作したの自作キーボードの総括

完成した自作キーボード
今回作ったlöwinという自作キーボードは思いつきから完成まで少し時間がかかってますが、ようやく完成と言って良い最低限のレベルまではできたかなと思ってます。

自分で点数を付けるとしたら70点いや50点くらいかな。

とはいえ、それなりに手間を掛けたので愛着が湧いてます。

アリエクスプレス
反省点としてはアリエクからパーツが届かないで痺れを切らして他のショップで頼んだら同時に届くていうトラブルもあったりしました。

AliExpressで購入する際はAliExpress Standard Shippingに対応してない配送方法の製品は淡い期待を抱かずに控えようと思います。

Special Thanks

自作キーボードの外注におすすめなjlcpcb
今回はJLCPCBにコラボして頂き無事に自作キーボードを組み上げることができました。自作キーボードに興味が湧いてPCBや3DPを作ってみたいと思っている方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。サイトのUIも日本語対応のページがあったり使いやすくてよい。

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